社労士試験に合格するためのポイント6つはこれだ!合格した年に私が試験勉強で大事にしたことをまとめてみた。

平成24年の5月から社労士試験の勉強を再開。

まずは、勉強した内容の記憶喚起から行いました。

手元にあったのは昨年出題箇所を書き込んだ基本書で、過去に本試験に出題されたところや模擬試験等で良く出題されるところがマーキングや〇印などがついています。

当時使っていた基本書は、加藤光大先生が作成した基本書です。どうやら今は出版されていないようですが(または違う形で出版されているかもしれませんが・・・)、最新版を再購入しました。

そして、古い基本書を読み返しながら、

「そうそう、ここよく出題されるとこだよね~。なつかしい」

などと独り言をいいながら新しく購入した基本書に書き写していきました。

意外にも、基本書を読み返すと勉強した記憶がみるみるよみがえってきて、なんだか楽しく感じました。前年の社労士試験直前期に結構読み込んでいたので、半年たってもおぼろげな知識が頭の中に残っていて、「去年の勉強が結構役に立ってるなぁ」と強く思いました。

ただ、そうはいっても社労士試験の受験再スタート時期が遅かったので、焦りははんぱなかったですね。

6月中旬くらいになると、「社労士試験まであと2か月」というようにタイムリミットをより意識しだします。タイムリミットを意識しだすと、焦りが出始めます。

「あと2か月しかない、自分は果たして8月の本試験に合格できるのか??????」

焦りに押しつぶされると、自分の行動にブレーキがかかり出します。何も手につかないことももちろんあります。

しかし、どのような状況であれ、社労士試験に合格するためにはこの大事な時期に手を止めないように気を付けなければなりません。

「やるべきことを、淡々とやろう!」

絶対に受かると決意をして再スタートした社労士試験受験2年目。

私の勉強法を振り返り、合格を手繰り寄せたポイント6つをまとめてみました。

1.社会保険科目から勉強を再開して、あらかじめ弱点をつぶす

不合格だった昨年の社労士試験結果をみると、択一式試験の点数が以下のようになっていました。

労基・労安 9点

労災 8点

雇用保険 5点

労一・社一 7点

健康保険 8点

厚生年金 5点

国民年金 5点

合計 47点

雇用保険科目はいろいろな単語がたくさん出てきて、やや覚えきれていなかった科目です。本試験では、5点という物足りない点数となっております。

あとは、厚生年金と国民年金がそれぞれ5点ずつで、こちらも物足りない点数となっておりました。

昨年の敗因の一つは、厚生年金と国民年金の年金科目が勉強不足で本試験突入してしまった点です。

一般的な受験生は(わたしもそうですが)、労働基準法や労働安全衛生法、労災法など、いわゆる労働関係科目から勉強をスタートします。

そうすると、年金科目は試験勉強の後半にようやく始まるようになるのですが、この年金科目はややこしく難解であるため、自分に十分な実力がつく前に本試験を迎える羽目になってしまい自分の足を引っ張る存在となってしまうのです。

年金科目は難解なのに十分な勉強時間がとれず得点源にならない。

多くの受験生、とくに勉強1年目の人はこのような状態ではないでしょうか?

ただ、逆を言うと、年金科目を得点科目にできるのであればグッと合格が近づくと思いませんか?

そう考えて私は、年金科目(加えて健康保険法)をまずは一気に勉強し直すことにしたのです。

勉強方法は基本的に昨年と同じです。

基本書を読み込み、過去問を解き、一問一答問題集も繰り返し解く。

わたしも覚えがそんなに早いほうではないので、何度も繰り返すようにしました。

繰り返しの勉強は王道ですね。

社労士試験における得点不足の原因のひとつは、単純にその科目に勉強時間を割けていなかったということが多いです。

社労士試験直前期になると悠長なことはできませんので、まだ時間のある6月一杯は年金科目(+健康保険)を勉強のメインにし、できるだけ勉強時間を多めにとることを心掛けました。

なお、労働関係科目も同時並行で勉強をはじめましたが、しばらくは我慢して重点を置かないように気を付けました。

あともう一つ、年金科目(+健康保険法)の勉強に力をいれた理由があります。

それは、「問題数」が多いから、です。

択一式の問題をみますと、

健康保険法 10問

厚生年金法 10問

国民年金法 10問

というように、この3つの科目の問題数が10問と多いです。

他方、ほかの労働関係科目を見てみるとどうか。

労働基準法 7問   労働安全衛生法 3問 合計 10問

労災法   7問   労働保険徴収法 3問 合計 10問

雇用保険法 7問   労働保険徴収法 3問 合計 10問

2科目複合で10問を構成しており、単独科目で10問ないのです。

これを皆さんどう捉えますか?

社会保険科目を一生懸命勉強すると、もしかしたら満点の10点がとれるかもしれません。

他方、労働関係科目を一生懸命勉強すると、もしかしたら満点とれるかもしれませんが、

とれたとしてもマックス7点(労働基準法等)しかないのです。

同じ労力をかけるのであれば、満点で10点取れる社会保険科目を重点的に勉強したほうが効率がよいと私は考えたのです。

皆が同じくらいの量勉強してくる労働関係科目(前半に勉強するので)では、初学者もベテランの正直あまり差がつかないですし、むしろ配点が少ない分1点のミスが命取りになります。

他方、後半に勉強する羽目となる社会保険科目は、勉強不足の受験生が多い中、高得点をとれば一気に合格へと近づきます。

今振り返ると、2年目の社労士試験勉強を再スタートしたときから社会保険科目に力をいれたのは自分にとっては正解だったと思います。

2. 毎日数科目勉強する

社労士試験では受験科目が10前後あります。

試験本番は1日で終わりますので、試験中は頭の中を10回程度切り替える必要が出てきます。

さて、労働基準法モードになろう!

次は労働安全衛生法モード!

さらに次は労災法。

その次は、雇用保険。次は徴収法。次は労一・社一。次は健康保険。次は厚生年金。次は国民年金。次は・・・・。

試験本番ではこのように頻繁に頭の中のモードを切り替えることとなりますので、その練習の意味もあり(さらには記憶定着のためもあります)、毎日複数科目を勉強することが重要です。

私の場合は、1日最低3科目は勉強するようにしていましたし、試験10日前くらいからは1日5~6科目を勉強していました。

3. 過去問の感覚を忘れない

前年の失敗からの教訓ですが、やはり合格に直結する勉強の最たるものが過去問演習です。

過去に出た問題だからやる必要ない、という考えの人もいるかもしれませんが、私の試験勉強では必ず過去問演習をやります。

そうすることで、

・試験の難易度

・出題の癖やパターンの研究

・頻出分野の特定

・本試験の予行演習

など対策をとることができるからです。

試験当日、問題を解いているまさにその時に何を気を付けるべきか?

試験中は瞬間瞬間に色々な判断を下さなければなりません。

「こっちが正解だっけ?いや、こっちだっけ?」

過去問演習をやるときも、自分がどのような判断で迷いやすいのかをみつけながらやっていくと、

本番当日でもその時の経験が活きてきます。

過去問からは離れないように勉強しましょう。

4. 予想模擬をやる

試験本番は、選択式と択一式とありますが、どちらも時間制限があります。

時間内に問題を解き切るという訓練はできればやっておいたほうが良いです。

私も、各社労士予備校から出ている模擬試験をできるだけ多く買い集め、時間を図って解きました。

時間が足りないのか、余るのか。

解く順番は初めの労働基準法から順番に解けばよいか、それとも、社会保険科目から解いたほうが勢いに乗れそうか。

模擬試験を受けることで(私は自宅受験でしたが)、今現在の自分の状態がわかります。

私の場合、模擬試験では、選択式は約10分、択一式は約15分ほど時間が余りましたので、この時間は見直しの時間と、どうしても迷う問題1問~2問くらいを最後再検討する時間にしました。

(試験本番はそうは言っても一問一問やや慎重に解いてしまい、模擬試験ほどは時間があまりませんでした)

なお、模擬試験を受けることで時間感覚を身につけるという効果がありますが、もう一つ、試験本番に出題される可能性が高い知識(いわゆるヤマアテ知識)に触れられるというのも利点です。

ヤマアテは多くの受験生が力を入れてくるところだと思いますので、そこで差をつけられて相対的にほかの受験生よりも「沈んでしまう」ことを避けることができるのです。

5. 手を広げすぎず、むしろ今までやったものを復習する

試験が近づけば近づくほど、

「あれがもしかしたら出題されるかも。これが出題されるかも。あれもこれもまだ手を付けてないから、とにかく手をつけなきゃ」

といろいろなものが気になって手を広げたくなるものです。

しかし、残り僅かの時に、とりあえず見ておかなきゃといった理由で勉強した内容は試験本番にあまり役に立ちません。むしろ、あやふやな知識を得たことにより自分自身の判断をミスに導く可能性があるので注意が必要です。

よく、「100のあいまいな知識より、20の確実な知識が大事」と言われます。

試験本番に頼りになるのは「確実な知識」です。あいまいな知識は命取りになります。

したがって、試験が近づけば近づくほど、どれだけ確実な知識を本番に持ち込めるかが重要になってきます。

私は、今までやってきた基本書、過去問、一問一答など、再復習することに力を得ました。

そして、確実な知識を増やす努力をしたのです。

6. 不安になっても歩みを止めず、少しでも勉強する

試験が近づくと不安に押しつぶされそうになり、勉強のやる気が失われそうになることも多々あります。

「万が一受からなかったらどうしよう・・・」

いろいろ考えると、勉強に身が入らなくなり、現実逃避をしたくなります。

しかし、せっかく今まで積み上げてきた勉強を一気に台無しにしてしまうのはもったいないことです。

結果は誰にもわかりません。

ありふれた言葉ですが、歩みを止めず勉強を続けましょう。

私も直前に「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」と勉強の手が止まりそうになりました。

完全完璧にやり切ろう!と張り切ると、このように自分に過度のプレッシャーがかかり自分自身で自分の歩みを止めてしまうのが曲者です。

私は、「完全完璧にやり切ろう!」という考えを一旦捨て、

「すべてやり切るのは不可能だ。そもそも完全完璧で試験本番を迎えられる人はそう多くない。自分も完全完璧は難しい。その中で、今の自分の力が最大値になるにはどうすればいいか?現実逃避し勉強をやらないのはもったいない。基本書を流し読みするくらいならどうか?それくらいならできる。何もやらないよりは断然ましだ!よし、今日は一日基本書だけ読もう。あー気が楽になった!読むだけでいいなら楽なもんだ」

というように考えを修正して勉強をつづけました。

社労士試験受験2年目。いよいよ試験本番を迎える!

8月に入り、いよいよ社労士試験本番までカウントダウンが始まった。

基本書、過去問、一問一答、予想模擬の復習。

ひたすらこのサイクルの繰り返しです。

予想模擬試験は7月末までで完了させていました。

得点的には、だいたい択一式が50~55点くらいの間を推移し、選択式試験も30~35点くらいの間を推移していました。ただ、選択式で3点を取る科目もあり、1点足りないと足切りもありうるので、最後までその恐怖を拭えませんでした。

早く試験本番になり、この恐怖から解放されたい!!

そんな思いを胸に最後の追い込みをしていました。

最後の1週間。基本書を2日で1周させ、合計3週させて本番当日を迎えることとなりました。

社労士試験本番。

今年も試験地は石川県にしました。前日に車で移動し、昨年同様アパホテルに宿泊。

試験当日も無事に試験会場に到着し、「去年も来たな・・・」と感慨に浸りながら、試験スタートに向けて戦闘態勢に入りました。

昔はそうでもなかったのですが、自分の試験勉強のやり方が確立してからは試験本番に強くなりました。

緊張もそんなにしなくなり、むしろ、周りの受験生をみて勝手にメラメラ燃えていました。

「やったるでぇ~」

よくプロスポーツ選手が、「本番でいつも通りの自分の力を出せれば、自然と結果はついてくる」と言っています。

私は、資格試験も一種のシングルスポーツだと考えています。普段の勉強で合格レベルに到達しているのであれば、自分の力をそのまま淡々と本番で発揮できれば自然と合格できると思います。

とにかくいつもの自分でいよう!

平成24年の社労士本試験も、無時、いつもの自分でいることができました。

解答速報で自己採点、そして、合格発表!

社労士試験本番が終わると、その日のうちに各社労士予備校が解答速報を出します。

自己採点というのは何度やっても慣れませんが、心を鬼にしてやりました。

すると、

「今年は行けたかも!」

解答速報での自己採点では、足切りもなさそうで、合格基準もクリアしていることが予想できました。

あとは、マークミスなどがなければ・・・。

念願の社労士合格にたどり着けると期待が膨らみ、ただ、何らかのミスをしていないかの不安も入り混じった状態で合格発表まで過ごしました。

※妻との新婚旅行がまだだったので、合格発表までの間に行きました。二人とも飛行機が苦手なため、1週間ほど京都・奈良・大阪に旅行へ行ったのもこの時期です。

そうこうしているうちに、11月の合格発表の日となりました。

インターネットで恐る恐る確認すると、無時に自分の受験番号を見つけることができたのです。

「よし!!」

社労士試験合格を目標に勉強を続けてきた私ですが、

目標を達成することで、やっと肩の荷を下ろすことができました。

こうして私の社労士受験生時代が無事に終了したのです。